親や夫が亡くなったら行う手続き
世帯主が死去したら、家族が行わねばならない手続きが沢山あります。

相続した空き家の活用方法(売る・賃貸・民泊)

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親が亡くなった際、子供が相続する財産は銀行預金などの現金だけでなく、家を受け継ぐケースも多いです。そこで問題なのが、自分達で使うあてのない不動産です。ここでは、遺族が使うあてのない空き家に関して、3つの活用方法とその収益性を比較してみます。

家や土地の所有者には固定資産税の支払い義務があるので、相続した家に親族が住まない場合、放置していてはコストが掛かるだけなので、なるべく早く活用を考えるべきです。特に家を売るなら、日本では物件価格は売却価値は完成直後から年々下落していき、約20年でゼロになるので、極力早く処分すべきです。

第一の方法=売却。なるべく早く売るべし!

家をなるべく高く売るためには、事前にリフォームして綺麗にしておく方法が考えられます。言うまでもなく、状態が綺麗な家の方が高く売れるからです。ただしリフォームしても、実は大半の家は売却価格があまり高くならない事には、注意が必要です。

リフォームに掛かった費用が100万円なのに、売却価格が50万円しかアップしなければ、金額的には丸損です。そしてほとんどのケースにおいて、リフォーム費用ほど買取価格は増えないので「リフォームはコスパが良くない」という評判が多いのです。

ただし、リフォームほど大規模でない、ハウスクリーニングのような簡易の修繕はコスパが見合う〜という口コミは多いです。タバコのヤニで壁が黄ばんでいる、風呂場の水垢、柱に子供の落書きがある、などのちょっとした修繕なら、業者に任せず自分達で行えます。費用は大して掛からず済むので、売却価格が多少アップするだけでも十分に元は取れるのです。

第二の方法=賃貸する。借り主を追い出せないリスクに注意

他に相続した空き家の活用方法としては、売却ではなく賃貸に出すという手段もあります。不動産の賃貸には、資格や免許は不要なので、家を所有している人なら誰でも始める事が可能です。賃貸にして入居者を募るには、水回りなどのリフォームで百万円以上の初期費用が掛かる事もありますが、毎月の家賃収入があれば数年で回収できます。

ただし、賃貸契約では「借地借家法」という法律が適用される点に、注意が必要です。借地借家法では、家主の一方的な都合だけで、賃貸契約を破棄する事は出来ないと定められています。また、家賃を1〜2ヶ月滞納した程度では追い出す事も不可能になっています。

要するに日本の法律では、借家は「借り手」の権利が圧倒的に強いのです。突然大金が必要になって家を売りたい場合でも、借主を一方的に追い出す事は難しいのです。家の賃貸は、売却するよりも儲けが多くなる可能性を秘める一方、資産の流動性(いつでも換金できる)が極端に悪くなるというデメリットがあるのです。

第三の方法=民泊(Airbnb)。収益性は最大だが、管理の手間が大きい

もう一つの活用方法が、単なる賃貸ではなく、エアビー(Airbnb)などを使って「民泊」として貸し出すことです。要は、使わない空き家をホテル・民宿のように不特定多数の旅行者に利用してもらい、収益を上げるという考え方です。

民泊だと、単に賃貸で貸すよりも最大利益は遙かに大きくなります。一戸建てにせよマンションにせよ、一般的な家なら賃料は月15万円程度が限界でしょうが、家族3人以上で泊まる想定の物件なら一泊1.5〜2万円取る事も可能です。よって月の3分の1以上稼働すれば、賃貸以上の収入を狙う事も可能なのです。

マンションの場合は、管理組合で民泊禁止を決めている物件も多いので、要注意です。

近年は外国人観光客の激増により、全国的に宿泊施設は不足気味で、政府も民泊を推進していく方向で法整備を進めているという「追い風」が吹いています。実際に「エアビーはコスパが良い」という口コミで、利用者も急増しています。

ただし民泊で貸す場合は、Airbnbなどへの登録・管理業務と、客への鍵の受け渡し、客が返った後の清掃業務など、色々と手間が掛かります。自分で行えないなら、民泊代理業者へ物件を又貸しするという手段もあります。利益率は下がりますが、自分は手間無く収益が上げられます。

まずはAirbnbの公式サイトで、空き家周辺の民泊の相場を調べてみる事をお勧めします。アカウントを作らなくても一通りの情報が見れますので、リサーチしてみる価値はあるでしょう。

不動産の共有名義は絶対にダメ!

いずれの方法を取るにせよ、家を相続する際の注意点として、複数の相続人による共有名義にはしない事が極めて重要です。遺言がない場合、財産の分配は法定相続人全員で遺産分割協議を行って決める事になります。その際、家を複数人の共有名義にする事は可能ですが、その後に家を売却するとなった場合は、名義人全員の合意が必要になります。

名義人全員に確認を取るのは手間が掛かりますし、分配の金額で揉めるといった事も考えられます。また、子や孫の代になるにつれ、相続の認証が複雑になっていきます。家を共有名義にすると間違いなくトラブルが起きるので、誰か一人が相続する形にしておく事が絶対です。

そういう意味では、資産価値の無い田舎のボロ屋の方が、相続で揉めやすいのです。

相続した空き家の活用方法まとめ
・家はリフォームしても売却価格は上がりにくく、コスパが悪い
・賃貸は、借主を簡単には追い出せない事に注意
・民泊(Airbnb)は利益率が高いが、手間やトラブルも多い

売る事も貸す事も出来そうにないド田舎のボロ屋の場合は、相続放棄するのが最善の方法かもしれません(⇒相続放棄する手続きの方法)。ただし、相続放棄する場合は現金など他の遺産も全て貰えなくなります。また期限は3ヶ月しかなく、一度相続した後に改めて相続放棄をする事はできない事も注意点です。

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