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親に終活の話を上手に勧める方法

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終活は、親が自分の最期に望む事を満たす意味もありますが、それ以上に残された遺族にとって、何物にも代え難いほどありがたい事です。

終末期医療=リビングウィル(胃ろうなど延命治療を望むかの意思表示)や、葬式をどうして欲しいのかという希望、大切なもの(銀行通帳や印鑑など)を何処にしまっているのか?等、遺族があらかじめ知っておきたい方法は沢山あります。終活セミナーを勧めるのは難しくとも、せめてエンディングノートを作る位はしてもらえば、遺族は迷いなく治療や葬式の判断を下せますし、遺品整理で苦労する事も大幅に減ります。

とはいえ、高齢者に終活〜エンディングノートを書いてもらう事は、非常にハードルが高いです。何せ自分が死ぬ事を考える訳で、年を取っていても元気で健康な人は「そんなものまだまだ必要ない!」と考えがちです。無理に勧めようものなら「お前はワシに死んで欲しいのか!?」とヘソを曲げられたり、親子関係が一気に悪化するリスクも高いです。特に嫁姑間や婿養子間で、この話題が失敗すれば家庭崩壊は必至ですから、極限の注意が必要です。

終活の話は、極めて繊細でデリケートな問題なのです。いきなり終活セミナーの案内パンフレットや「ソナエ(終活雑誌)」を渡す訳にもいきません。という事で、高齢の親に終活を勧めるためには、タイミングと話し方に十分注意し、上手に会話をもっていく方法が必要です。

終活話を上手に切り出すには、どういう時を選ぶのかというタイミングがほぼ全てだといっても過言ではないです。以下が、終活の話を切り出しやすい場面です。

終活の話を切り出すのに適したタイミング
1.テレビで葬式やお墓などが話題になった時
2.有名芸能人が亡くなった時
3.ご近所さんが亡くなった時
4.大きな地震が起きた時
5.法事などで親族が一斉に集まった時

きっかけとして良いのが、テレビ番組の特集があった時です。終活特集そのものが最善ですが、お墓やお葬式、あるいは終末期医療の話題でも「こういうのって、どうしたら良いのか分からないよねぇ・・・」と、あくまで第三者目線で親に話を振ってみる事です。実際に親の世代も、子供達が自分の世話で悩むであろう事は想像している人は多いです。テレビなど上手いきっかけがあれば「私は延命治療で苦しむのは嫌だねぇ」とか「ワシは派手な葬式もお墓も要らないよ」などと、素直に自分の望みを言い出しやすい訳です。

また、有名芸能人が亡くなったお葬式だとか、相続で揉めたなどのワイドショー的な話題でも、終活話のきっかけとしては使えるかも知れません。とにかく親と同居している人は、なるべく親と一緒にテレビを見る時間を作り、こういうきっかけ話が流れないか、日頃からチャンスの目を広げておく事が重要です。

親と同居している人は(不謹慎ですが)ご近所さんに不幸があった時が、終活の話を切り出す最高のタイミングです。また、大きな地震や災害があった際も「死」について意識しやすい状況なので「気の毒だよねぇ・・・急に亡くなったからお葬式とか大変だろうねぇ」などと、自然に話を持っていきやすいです。

法事の際に親族が協力して、孫も活用して話をする

このように、同居している家庭の場合は、終活の話を上手にしやすいタイミングというのは、意外に沢山あるはずです。逆に親と別居している人は、日常的に話をする機会が限られるので、終活を切り出す間合いは余計に難しいです。この手の話を電話で切り出すのは、不自然すぎて親にヘソを曲げられかねませんし・・・。

別居している人は、とにかく多くの親族が集まる機会を狙うしかありません。終活の話をするのに最適なのは、やはり法事の時です。またお盆や正月に実家に帰った時に、一緒に墓参りに行けば、一気に話をしやすい環境になるでしょう。実際に、終活を勧めることに成功した人の口コミで多いのが、お盆や法事の時に話する事なようです。

法事や盆正月で親族が集まった際には、子供の世代で上手く協力して、親が終活話から逃げないように包囲網を張る事も有効です。「先に決めといてもらわないと、みんなが後で困るんだよ」と、他の親族からも後押ししてもらう訳です。

但し、あまりにも子供達が結託して迫れば、親が心を閉ざしてしまうリスクも出て来ます。その際には、老人に対して最強の武器となる「孫」を上手く使う方法が有効です。一気に決着させようという話し方をせず、あえて終活話の合間に孫の話題を挟んで、クッションとして活用するのです。子供だけなら自分は『親だ』という意識だけですが、可愛い孫に「おじいちゃん(おばあちゃん)」と呼ばれると自分が高齢者である事を認識しますから「終活も必要なのかな・・・」と考えを変えてくれた、という口コミも聞かれます。

親に終活の話を上手に勧める方法まとめ
・テレビの葬式や墓の特集、芸能人の訃報ニュースなどをきっかけにする
・ご近所さんが亡くなった時は、話を切り出すのにベストなタイミング
・親と別居なら法事を狙う。親族で話を合わせたり、孫を上手く利用する

終活話を上手に切り出すのは、非常に気を遣う、面倒な行為です。しかし突然親に先立たれると、面倒どころの騒ぎでは済みません。最悪なのが、病気などで突然入院する事になったケースです。入院している人に、葬式や墓をどうするだとか、銀行通帳は何処にあるのだとか尋ねるのは、もうすぐ自分は死ぬ病気なのか・・・と落胆させかねないので御法度です。

よって、親が元気なうちに遺言やエンディングノートを作ってもらう事がベストです。「終活」を勧めるタイミングを日頃から見計らっておく事が、最大のリスクヘッジになるのです。最近ではイオンが終活セミナーを始めたり、終活カウンセラーという資格も生まれる位のブームもあり、その認知度は高まっているので、後はタイミングと話しの切り出し方の問題だけです。

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