親や夫が亡くなったら行う手続き
世帯主が死去したら、家族が行わねばならない手続きが沢山あります。

世帯主の死去に備えて生前から準備すること

HOME > 生前から準備すること

近年、生前から死後の準備をしておく「終活」が注目されています。終活の手順や相続等の相談もできる終活セミナーも盛んに行われています。お葬式はどうするのか、遺品の整理、遺産の分配、自分の最期はどこで迎えたいのか、などを予め決めておく事で、遺族に出来るだけ負担を掛けずに済みます。

遺族で最も揉め事が起こりやすいのが遺産の分配についてです。基本的に、遺産は配偶者や子供に対して法律で定められた割合で分配されますが、予め遺言書に故人の意思を記しておけば、対象者や金額を自由に決める事も可能です。極端な話、全く血縁関係の無い第三者に遺産を残す事も出来ますが、あまりに普通ではない分配方法は遺族間でトラブルになる恐れもあります(⇒遺言の種類と有効性)。

遺産相続には相続税がかかるため、かなりの金額を徴収されるケースもある事にも注意すべきです。最悪の場合、税金が払えないために家を売り渡して家族が路頭に迷う・・・という事例もあります。ゆえに相続税の節税は生前から計画的に行っておくことが重要です。

相続税の節税には、子供や孫に対して財産を渡しておく生前贈与という方法があります。生前贈与には贈与税がかかりますが、贈与税は節税の余地が大きく、工夫次第でかなり少なく抑えられるため、遺産相続をする場合よりもずっと得する可能性もあります。贈与したことの証明方法が必要ですが、税金対策には極めて有効です。

但し団塊の世代の「大量死亡時代」を迎え、巷には怪しい節税コンサルタントや、誤った節税方法、高コストで本末転倒な金融商品なども増えているので、注意が必要です。例えば、豪ドルなどの高金利通貨を使った外貨建て保険などがそうです。生命保険の非課税枠を生かす名目ですが、為替のオプション取引が噛んでいるので、実は金融機関が圧倒的に有利なボッタクリ商品である事が大半です。複雑で理解困難な金融商品には、手を出すべきではありません。

エンディングノートで終末期医療などの希望を知る

高齢者に生前から考えていて欲しい事として、終末期医療も挙げられます。胃ろうや人工呼吸器などの延命治療を望むのかどうか?等について、本人の意思表示の事を米国ではリビングウィルと呼び、遺言の一種として重要視されています。近年では日本でも、自治体や病院などがリビングウィルのテンプレートを発行しています。

生前からお葬式や墓のことについて決めておくことも有効です。葬儀会社によっては、早期申し込みで料金が安くなる「早割」のサービスがあったりもするので、生前から比較検討しておくべきでしょう。但し互助会については、何かとトラブルが多いので、加入には特に注意が必要です(⇒葬儀の互助会の問題点〜トラブルの事例)。

認知症や精神障害などによって正常な判断が出来なくなってしまった人は、成年後見人と呼ばれる援助者を決めて、法律的に保護する仕組みもあります。

また、亡くなる前に銀行から預金を引き出しておくべきです。銀行は預金者が亡くなった事を知ると、その口座を一時的に凍結してお金のやりとりを出来なくします。これは、遺族が勝手にお金を引き出して、遺産分配で揉めないようにするための措置です。生前に予め預金を引き出しておく事で、公共料金の口座引き落としが滞るなどのトラブルは防げるでしょう。

生前に死後の事について記しておく書面はエンディングノートと呼ばれており、最近では文房具店などで数百円で購入出来ます。また終活セミナーに行けば、無料で貰える場合もあります。

エンディングノートには遺言書のような法的な効力はありませんが、遺族に自分の思いを伝えるためには非常に重要な物です。生きている内から、死後についてあれこれ考える事に抵抗を覚える人もいるでしょうが、死はある日突然やってくる可能性もあります。いざという時に遺族を困らせないためにも、生前から死後の準備はしておくべきです。

ゆえに親に終活の話を上手に勧める方法を参考に、高齢者にエンディングノートを作って貰うことは、遺族の側にとっては極めて重要なことです。

このコーナーでは、親や夫が元気なうち〜生前から、とういう事を準備すべきなのか?いわゆる「終活」について等を解説していきます。

当サイトはリンクフリーです。また画像や文章の盗用は禁止致します。文章を引用される際は当サイトへのリンクをお願い致します。
Copyright (C) 2016 tetuzuki-all.com All Rights Reserved.