親の家を遺品整理する際に、問題となりやすいのが本・書籍の扱いです。引越し作業をした事がある人なら経験済みでしょうが、書籍というのは1冊では軽くて邪魔でも何でもないのですが、何冊も束になると体積をとる上、非常に重たいです。親が書斎を持っていた人などは、それこそ千冊以上の本を処理するケースも珍しくありません。
書籍の整理・処分は、親の家を片付ける際に消耗させられる品物の筆頭格です。実際に遺品整理した人のアンケート(※注)では、親の遺品で処分に困る物の第3位に書籍が挙がっています。そこで、親の家にあった大量の本を上手に処分する方法を考えてみます。
※注;出典は『終活の教科書(タツミムック)』。ちなみに困る物の1位は「写真」。
書籍は通常「資源ゴミ」に分類される自治体が多く、通常ゴミや粗大ゴミの日に出せないという問題があります。そして一般の人は、古本は買取りしてもらえる〜つまりお金が入る可能性があるので、ゴミとして処分するのは勿体ないと考えがちです。
ところが、古本の買取り価格はピンキリの「キリ」であることがほとんどです。確かに希少な品で一冊1万円以上するケースもありますが、大半の本はタダ同然だったり買取不可と査定されるケースが多いのです。本は売っても意外にお金にならないのです。
確かに目利きがある人なら、ジャンル毎に専門の古本屋で売る、シリーズ物ならネットオークションで売る、と言った上手な手法も取れるでしょう。しかし一般の人はそこまでの知識もありませんし、何百冊もある本を到底一つひとつ分類している余力も無いので、古本業者に丸ごと査定に出すケースがほとんどでしょう。
そして古本業者は、大量の書籍を査定する場合は、仮に貴重で高額な本が混じっていても駄本の一部としてごまかしてくる可能性が高いです。特に、こちらが親の遺品整理で困っている・・・という事が知られると「どうせ査定を精査するヒマは無いだろう」と業者に舐められ、査定を低く抑えられがちになる問題があります。業者に安く買い叩かれた!というのは、遺品整理の嘆きのクチコミで最も多いものの一つです。
特に注意したいのが「ブックオフ」で、彼らは大手古本屋の中でも極めて特殊な存在です。ブックオフでは本が貴重な品かどうかは全く考慮せず、状態が綺麗か否かだけで買取価格が査定されます。その理由は、ブックオフは全国にチェーン展開しており、アルバイト店員でも査定が出来るようにマニュアル化しているからです。
※実際にブックオフの値付けミス(高価で売れる本が安値で放置されている)を買い取って再販ビジネスを行う「せどり」という商売もある位です。
百冊の本でも、ものの数分で査定が出るという素早さは魅力ですが、よほど綺麗な状態の本以外は、ゼロ円と査定される可能性が高いです。おそらく、ほとんどの人が「これだけの量なのにこんなに安いのか?」と激怒するような値段しか付かないでしょう。ブックオフの激辛査定はネットでは有名で、1000冊の買取りでが1万円以下だったというクチコミすらある位です。
ただしブックオフにもメリットがあり、それは「出張買取」が可能な点です。本をまとめて宅配便で送って査定してもらう宅本便と、店員が家まで査定に来てもらう出張買取があります(どちらも基本的に無料)。そして買取不可と評価された本でも、大抵は無料で引き取って処分してくれます。よって、そもそも「買取」とは思わず、要らない本を手間をかけずに処分するものだと考えれば納得できるサービスと言えますね。
ちなみにブックオフの出張買取査定は、本だけでなく家電製品や衣類なども可能です。遺品整理で物を処分する際には、中々便利な存在です。但し書籍と同様に、状態が綺麗かどうかだけで査定がほぼ決まり、値段はやはりリサイクルショップなどよりも総じて安いです。
親の家の本の処分方法まとめ
・古本の買取り価格は想像以上に安い!二束三文だと覚悟すべき
・ブックオフは「本を売る」ではなく「処分してもらう」存在だと思うべし
・図書館に寄贈する方が社会貢献になって良いのでは?
別の考え方として、どうせお金にならないのなら、ボランティア精神で本を図書館に寄贈するという方法もあります。図書館によっては大量の引き取りは不可だったりしますが、100冊未満程度なら大抵は寄付が可能です。二束三文の小銭を得るよりも「故人の趣味が寄付として社会貢献できた!」という充足感を得られる方が良いかもしれませんよ。