故人の生前の持ち物は、遺族が遺品整理を行う事で、残す物と処分する物に区別されます。遺品整理は専門業者に任せる事も出来ますが、その場合は誤って必要な物が捨てられてしまう危険性もあります。ゆえに遺品整理を行う際は、一番最初に、絶対に捨ててはいけない故人の持ち物を探し出して、確保しておく事がポイントです。
故人の持ち物の中で、最も捨ててはいけないのが遺言です。法的効力を持った遺言書の有無によって、遺族の相続内容は大きく変わる場合もあります。遺言はきちんとした書面になっているとは限らず、ノートの切れ端や箸袋の裏などに書かれた物も有効なので、誤って捨ててしまわないように注意です。特に、故人の書斎・机の引き出しなどを入念に確認する事が重要です。
他に捨ててはいけない故人の持ち物は、預金通帳や貴金属・骨董品などの資産類です。相続で最もトラブルが起こりやすいのが遺産の分配方法であり、故人の資産がどれだけあったのかを明確に把握しておく事は極めて重要です。
現金は、故人が「へそくり」として、見つかりにくい場所に隠してあるケースもあるので、気付かずに捨てる事のないように注意が必要です。遺品整理で嬉しい誤算だったという口コミで最も多いのが、へそくりを発見した事だそうです。
貴金属や骨董品は価値がわかりにくい物も多いので、専門業者に依頼して値段を確認するのが望ましいです。現金が金庫に仕舞われている場合もあるので、金庫のカギや暗証番号のメモなども探しておくべきでしょう。
そして、不動産権利書や保険の契約書などの書類や、電気・ガス・水道の公共料金領収書、および印鑑も重要です。これらは遺族への権利引き継ぎや解約する手続きの必要書類となります。特に不動産権利書や保険証書は、相続や遺産分配で必須の書類なうえに、再発行の手続きも面倒なので、絶対に捨ててはいけない持ち物です。
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また、故人に届いた年賀状などの郵便物も、極力捨てるべきではありません。後日その友人達に連絡が必要になる(喪中はがきなど)場合もあるので、交友関係を示す物は出来るだけ捨てないで保管しておくのがベターです。
遺品整理で捨ててはいけない故人の持ち物まとめ
・遺言の有無を最優先で確認する
・不動産権利書や預金通帳は相続に関わるので特に注意
・保険契約書や印鑑などの必要書類も捨ててはいけない
なお、運転免許証、パスポート、クレジットカードなども、遺族が直接権利を引き継げないので、厳密には返却が必要です。運転免許証は最寄りの警察署、パスポートは所轄のパスポートセンター、クレジットカードは各カード会社で返却手続きを行います。
しかし、運転免許証もクレジットカードなども有効期限があるので、返却手続きを行わなくても更新しなければ自動的に権利が失効します。仮に忘れていても問題にはなりませんので、遺品整理では遺言を探したり不動産・保険契約書などの手続きを最優先にすべきです。