HOME > 納骨・墓・埋葬 > 戒名のボッタクリを避ける方法
日本での葬式の平均費用は約200万円もかかり、これはアメリカ(約44万円)やイギリス(約12万円)などの諸外国と比べて相当高額です。
日本の葬式費用がこれだけ高額になっている理由の一つに、戒名という奇妙な制度が挙げられます。戒名とは、仏門に入った証として与えられる名前で、故人の位牌にその名が刻まれる事になります。本来の戒名は生前に与えられるものですが、近代では亡くなった後に名付けられるように風習が変化してきたのです
※元々、仏教に戒名という思想はなく、中国やインドなどの仏教国に戒名制度はありません。
この戒名を付けて貰う料金は、非常に高額です。遺族の財政状況などにもよりますが、一般的な戒名代金は平均40万円程度で、場合によっては100万円以上もの値段を提示される事もあります。ただ名前を決めるだけで40万円以上ものお金を要求され、しかも遺族が裕福であれば相場の範囲内で値段をつり上げて請求してくるというクチコミもあり、まさにボッタクリ商売としか言いようがありません。
ですが、遺族も故人の最期ぐらいは盛大に送ってあげようとする気持ちが働くのか、お寺側の言い値で納得してしまうケースが多いようです。こうしたあくどいお寺の存在が、お葬式の料金高騰を招いている要因といえます。
以下、平均的な戒名料金の相場です。浄土宗・真言宗など大半の宗派は概ね以下の表(日蓮宗は微妙に違う場合あり)ですが、浄土真宗だけは戒名の階級と呼び名が異なるので注意です。ちなみに、その場でお金さえ出せば、院居士(いんこじ)や院釋(いんしゃく)といった呼び名が貰える訳ではなく、檀家として日頃から菩提寺に貢献している(≒お布施を続けている)人でなければ、高位の戒名はもらえないようです。何とも強欲な制度ですね・・・。
戒名料金の相場表(浄土宗など大半の宗派) | |||
戒名 | 読み方 | ランク | 料金の相場 |
信士・信女 | しんし・しんにょ | 低 | 15〜30万円 |
居士・大姉 | こじ・だいし | 中 | 30〜50万円 |
院信士・院信女 | いんしんし・いんしんにょ | 高 | 50〜100万円 |
院居士・院大姉 | いんこじ・いんだいし | 最高 | 100万円〜 |
戒名料金の相場表(浄土真宗) | |||
戒名 | 読み仮名 | ランク | 料金の相場 |
釋・釋尼 | しゃく・しゃくに | 低 | 10〜30万円 |
院釋・院釋尼 | いんしゃく・いんしゃくに | 高 | 50万円〜 |
そもそも、戒名制度は必要でしょうか?日本の法律では、故人には戒名を付けなければならないという決まりなど無く、完全にお寺の独断で作られているだけのボッタクリな風習です。語弊を恐れずに言えば、日本の仏教の金儲け利権に過ぎません。
何より、折角付けて貰った戒名も、難しい漢字が羅列されていてわかりにくく、遺族も故人の戒名を覚えていないというケースがほとんどです。こうしたボッタクリが許せないならば、戒名を付けて貰うのを避けたい、と思う方が常識的ですよね。
ただし注意点として、法律的な問題は無くても、お寺(菩提寺)とのトラブルに発展してしまう恐れはあります。戒名代金は、単に戒名を決めて貰うというだけではなく、その後長きに渡って寺で面倒を見てもらうための費用も含んでいます。
ですから、戒名を付ける事を拒否したり、あるいは遺族が勝手に戒名を付ける(法律的には問題ありません)などの方法をとった場合には、お寺から埋葬を拒否される可能性が高いようです。菩提寺と縁を切って公営霊園に埋葬するつもりなら問題ありませんが、その後もお寺と付き合っていく必要を感じるならば、納得できなくとも戒名を付けて貰う事は避けられません。
どうしても戒名のボッタクリ料金を避けるには、納骨を骨仏や散骨にするという方法もあります。骨仏とは、大勢の遺骨を集めて粉末状にし、土などと混ぜて仏像を作るという納骨方法です。一人当たりのお墓のスペースが少なく済むので、納骨費用も3万円程度と安くなっています。この骨仏は、大阪市天王寺区の一心寺が有名です。
そして、散骨は海や野山に遺骨を撒く納骨方法です。こうした納骨ならば、お墓を利用しなくても良いので、その後お寺との関係が悪化しても特に問題はありません。
また、最近ではスーパーのイオンが葬式事業を安価で展開しており、戒名も5万円程度で済むようになっていますので、この制度を利用するのも一つの方法です。但し、菩提寺はそのような格安葬儀での戒名を絶対に認めませんから、必然的に公営霊園などに埋葬する事になります。
戒名のボッタクリを避ける方法のまとめ
・イオンなどの格安葬儀の戒名サービスを利用
・遺族が自分で戒名を付ける
・骨仏や散骨といった納骨方法を選択する
※いずれも、菩提寺との縁が切れることが前提なことに注意が必要
つまり、お寺の墓に埋葬する際には、基本的にボッタクリ料金の「戒名」もセット販売であり、避けるには公営霊園や散骨など別の方法を考えるしかない訳です。
近年では、葬式や墓などの業界利権のボッタクリが広く知れ渡ってきています。若い世代ほど宗教に懐疑的でお金にシビアなので、あと20年もすれば、戒名などという馬鹿げた制度は完全に崩壊している可能性が高いでしょう。故人が望んでかつお金まで残してくれている場合を除き、戒名を付けないで済む埋葬方法も選択肢として考慮すべきです。