HOME > お葬式の基礎知識 > ボッタクリ葬儀会社を見分けるポイント
葬儀業界というのは、残念なことにボッタクリ業者も多いのが原状です。例えば、病院に常駐する葬儀社には要注意!で書きましたが、病院に居座っている葬儀会社はボッタクリの可能性が高いです。但し、都心部の大病院と地方・田舎の病院では、傾向は全く異なってきます。
地方や田舎にある中小の病院では、入院患者のほとんどが地元の人間です。また田舎ほど(良くも悪くも)ムラ社会なので、住人の口コミネットワークが強力であり、悪い葬儀屋だとあっという間に悪評が広まり、誰も利用しなくなります。従って田舎の病院に居る葬儀会社は、極端なボッタクリ料金や悪質な業者である危険性は低いと考えられます。
以下、ボッタクリ葬儀屋の特徴、見分けるポイントをまとめてみました。また、悪徳業者を斡旋する「葬儀ブローカー」も、同様の基準で見分けられます。
契約を急がせる
ボッタクリ葬儀屋というのは、とにかく契約を取ることに躍起だという特徴があります。一旦契約のサインさえ貰えば、後は適当に理由を付けて値段をつり上げていけばOKだという姿勢です。病院の霊安室の前や、自宅への搬送途中などで「早く決めないと火葬場の空きが無くなりますよ」などとろくな説明も無しに契約を急がせる業者には、注意した方が良いです。
詳細な見積りを出さない
金額だけでなく、あらゆる面で「曖昧な業者」は要注意です。最初に安いが曖昧な見積りを出しておいて、実際にお葬式が終わってから追加料金を請求するのは、ボッタクリ業者の典型的なやり口です。何処までの範囲でその値段なのか、見積りの根拠を示させる事がポイントです。
業者の典型的な言い訳は「飲食費など予期せず増える事があるので・・・」とか「飲食や祭壇の花、火葬場の費用など、当社への支払いではない項目も入るので、詳細は出せないのです」などとのたまいます。屁理屈をゴネて詳細な見積書を拒否してくれば、ボッタクリ業者の可能性が高いので要注意です!
棺の値段をごまかす
「子供に迷惑をかけないお葬式の教科書」著者の赤城啓昭氏は、悪い葬儀屋を見分けるポイントは棺だと解説しています。一般人に相場が分かりにくい商品なので、ボッタクリ価格でも見抜かれにくい事が原因です。よって、見積りを貰ってから棺の交換を要求すれば、ボッタクリ葬儀屋かどうかが分かりやすいのです。
お坊さんも紹介すると言ってくる業者
近年では、自分の家に檀家はあるのか?家系がどの仏教の宗派(浄土真宗・日蓮宗・真言宗など)なのか?等がよく分からないという人も少なくないです。そのような人に対して「分からないならお坊さんもこちらで紹介しますよ」などと安易に勧めてくる葬儀屋も注意すべきです。ボッタクリの坊主と連んでいる可能性もあるからです。
中には、実は故人の宗派があったのに、別の宗派のお坊さんを呼んでしまい「我々の家系とは違うぞ!」と親族が怒り出す、などという最悪のケースもあるようです。また宗派は合っていても、菩提寺があるのに別のお坊さんを呼んでしまうと、トラブルになる可能性が高いです。宗派や菩提寺の件は、一見の葬儀屋に任せっきりにせず、基本的に自分達で調査すべき事柄です。
関連ページ;仏教の宗派と葬儀形式の違い
かつては通夜はともかく、お葬式には複数のお坊さんがお経を読むことも珍しくありませんでしたが、お葬式の小型化が進む近年では、参列者が5〜60人規模の一般葬で3人も4人もお坊さんが来るなんて事はありません。僧侶の人数を増やそうと提案する葬儀屋は、お寺からバックマージンを貰っている可能性を疑うべきです。
電話応対や会話での敬語・言葉遣いが悪い
表情や声のトーンなども含め、言葉遣いが悪い、家族を失った者に対する感じがしない葬儀屋は、教育が行き届いていない適当な業者である可能性が高いです。葬儀屋というのは接客業であり、言葉遣いや敬語、接客態度は最も気を付けるべきポイントです。
それが蔑ろな業者は「どうせこの客とは1回限りなのだから」と適当な応対しかしない悪質業者だと言えます。葬儀業者は、遺族の悲しみをいたわるグリーフワークを担うのも、一つの仕事だと言えるのですから。
互助会の掛け金を買い取ると申し出る業者
親が互助会に入っていて葬儀屋のアテがあると言うと、「その互助会の掛け金を買い取る(同額を値引きする)からウチと契約しませんか?」と持ちかける業者もいます。『ブラック葬儀屋(幻冬舎:尾出安久・著)』によると、互助会の権利を買い取るという業者は、典型的なボッタクリ業者のパターンだと言います。
元々ボッタクリ料金なので、値引きしても業者の利益は出る構造なのです。遺族から見ても(デパートのバーゲンセールと同じで)値引き額が大きいと、心理的に得した気分になりがちですから、本当に妥当な料金なのか?冷静に見分ける必要があります。
クレジットカードや分割払いできない
葬儀業界では伝統的に、カード払いや分割払いは出来ない業者が多いです。葬儀会社も、祭壇の花や料理(精進落とし)など、現金払いで発注せざるを得ない相手が多い事が、一応の理由です。よってクレジットカードや分割払いが出来ない事だけでは、悪質な業者とは言えません。
但し近年では、分割での支払いに応じる葬儀屋の割合が増えていますので、非対応なのは少し時代遅れな会社だと言わざるを得ません。
如何にも権威がありそうな事を積極的にPRする
ボッタクリ業者である素性を隠すために、如何にも権威がありそうな数値や肩書きなどをPRしてくる会社も、実は要注意です。例えば「弊社は50年以上の歴史がある」と言われても、葬儀業界はそもそも閉鎖的でボッタクリが横行していたので、信頼性の証明にはなりません。
同様に「社員には1級葬儀ディレクターの有資格者が○○人居る」などとPRされても、実際の人数を反面調査出来る訳ではなく、本当かどうかは分かりません。また1級葬儀ディレクターは、合格率が50%ある資格なので「その人物のサービスの質を証明するには微妙だ」との口コミも少なくありません。
女性スタッフの多さとサービスの質は比例しやすい
前述の専門家・赤城啓昭氏によると「女性社員の比率が高い葬儀社は利用者の評価が高い」と述べています。一般的に、女性の方がコミュニケーション能力が高く、ホスピタリティが重要なサービス業に向いているとの口コミが多いですが、この法則は葬儀業界でも当てはまります。
どの業者でも正社員の多くは男性ですが、あえて「担当者を女性に変えられますか?」と質問する事で、女性社員の多さや、会社の柔軟性を見極めるテストができます。
インターネットの口コミ情報はあてにならない
最後にインターネット情報のポイントについて。ヤフーや価格ドットコムのような大手サイトから、2chの掲示板に至るまで、ネット上には様々な口コミ情報があります。しかしネット情報は業者の自作自演が可能なので、実は口コミがほとんどあてにならない事には注意が必要です。
逆に(意外ですが)ご近所さんの口コミこそが、葬儀屋を見分けるうえで最も有効な情報だったりします。特に最初に述べましたが都会よりも田舎に行くほど、地域住民の生の口コミ情報こそが、悪質業者を見分けるのに役に立ちます。