HOME > 死亡後の手続き > 配偶者の親族との関係を切る方法
結婚すると、相手の配偶者の血族(親や兄弟など)と姻族関係が結ばれます。姻族関係とは、簡単に言うと法律的に親戚になるという事です。
離婚した場合は、この姻族関係は自動的に解消されます。しかし配偶者が亡くなった場合は、何もしないでいると姻族関係は継続されたままです。姑にずっといびられ続けてきた妻など、早急に縁を切りたいと考える人も居るはずです。そんな場合、夫の親族との関係を切る方法は「姻族関係終了届」を市町村役場に提出する事です。
姻族関係終了届の特徴は、手続き方法が非常に簡単に済む事です。提出の際に必要な物は、配偶者が亡くなった事が記載された戸籍謄本と印鑑だけです。姻族関係終了届を提出した時点で姻族関係はすぐに解消されるので、離婚と違って家庭裁判所などに申し立てをする必要もありません。相手の親の了承を得ることなく、自分の意思のみで手続きを済ませられる事がポイントです。
★姻族関係終了届の必要書類;戸籍謄本(配偶者の死没が記載済みの)、印鑑
こうして姻族関係が解消されれば扶養義務もなくなりますので、嫌な姑の世話をする必要はなくなります。そして姻族関係終了届はあくまで配偶者の親族との関係を切る物であり、亡くなった夫の遺族年金は妻が問題なく受け取る事が出来ます。また、遺産相続した後に親族関係を切ったとしても、遺産を返却する義務はありません。
つまり相手の親族と法的に縁を切っても、金銭的には大きなデメリットは生じません。よって、義理の父母の介護などしたくないという人は、さっさと手続きを行うべきでしょう。
なお、日本では夫婦同姓の制度があるため、結婚すると大多数の妻は夫の名字に変わっています。もし、夫が亡くなった後に妻が元の名字に戻りたいという場合は、市町村役場に「復氏届」を提出する必要があります。復氏届を提出する際に必要な物は、結婚前の戸籍謄本と印鑑です。
注意点として、上記の姻族関係終了届は相手の親族との関係を切る方法であり、そのままでは名字は変わりません。旧姓に戻したい場合は、復氏届も合わせて必要になります。
配偶者の親族との関係を切る方法まとめ
・相手の親族と縁を切る方法は、姻族関係終了届を提出するだけ
・金銭的デメリットはない。遺族年金も貰え、遺産相続の権利も存続する
・旧姓に戻したい場合は、復氏届も必要なので注意
ただし、子供がいる場合の名字変更は注意が必要です。復氏届で名前が戻るのはあくまで妻だけであり、子供は夫の名字のままです。子供の名字も妻の旧姓に変更したい場合の手続き方法は、まず家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立書」を提出して受理される必要があります。その後に「入籍届」を市町村役場に提出する事で、はじめて子供が妻の戸籍に入る事になり、母子で同じ名字となります。
言うまでもないですが、母親と子供が別姓である事のデメリットは極めて多いので、絶対に避けて下さい。母が旧姓に戻すのであれば、面倒でも必ず子供の名字も同じにするよう、上記の「子の氏の変更許可申立書」と「入籍届」の手続きを必ず行うべきですよ。