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お葬式やお墓、香典などに税金は掛かるのか?

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お葬式には、葬儀の料金、斎場費用、火葬費用、お寺やお坊さんへのお布施など、色々とお金が必要になります。そして関連する税金も、相続税や贈与税、固定資産税など数多くあります。お葬式や埋葬に掛かる費用は、税金が課税されるものや非課税なもの、また税金計算の控除対象になるものなど様々なので、ぜひ知っておくべきです。

まずお葬式やそれに関するお金についての税金です。法律上、以下の5点は葬儀費用として認められており、相続税の控除対象となります。

葬儀費用(相続税の控除)となるもの
・死体の捜索や運搬に掛かった費用
・遺体や遺骨の運搬費用(交通費・ガソリン代)
・葬儀、埋葬、火葬、納骨費用
・お通夜など葬式の前後に必要な費用
・お寺(お坊さん)に渡すお布施などの費用

相続税の控除を受けるには、葬儀費用の領収証、もしくは出金に関する記録帳が必要となります。ところが、墓石や墓地の購入、初七日や四十九日など法要時のお坊さんへのお布施、香典返しにかかった費用などは、税金の控除にできないので注意すべきです。

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一方で、先祖の家墓を継ぐ時や、仏壇・仏具を相続する際には、相続税がかかりません。こうしたご先祖を供養するための財産の全てを祭祀財産(さいしざいさん)と呼びます。祭祀財産は分割せずに1人が継承する事になっているため、相続の対象にはならないと定められています。

ややこしいですが、先祖のお墓を継ぐ場合は相続税が掛からない、だけどお墓(墓地・墓石)を新たに買うお金を相続税の控除にする事も出来ない、という事です。

なお、お墓をお寺に立てる際には永代使用料を払う事になりますが、これはその土地を使用する権利を得ているだけで、土地そのものを所有する事にはなりません。従って家やマンションなどの購入時に掛かる不動産取得税や固定資産税なども、お墓には不要です。先祖の家墓を相続する場合も非課税財産として扱われます。ただし、墓石の購入や工事代金に消費税がかかります(永代使用料や管理費にはかかりません)。

香典のお金は完全非課税だが、納骨堂は・・・

また香典でもらったお金は完全に非課税で、所得税、相続税、贈与税全てがかかりません。江戸時代までは、お葬式に参列者が持っていくのは線香や抹香などでした。それが明治以降にお金を渡す風習となり、葬式費用を賄うためのお金という認識に変わってきたのです。

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つまり、香典は現在は現金という形ではあるものの、本来は「お線香」だったのです。よって、所得税も贈与税もかからないという理屈だそうです。但し前述のように、香典返しで使ったお金を控除に参入することも認められません。

お葬式や埋葬(お墓)に税金は掛かるのか?まとめ
・葬式や火葬やお坊さんへのお布施は「葬儀費用」で相続税の控除対象
・祭祀財産(墓や仏壇)を相続する際は非課税
・但しお墓や仏壇を新たに購入する際は、相続税の控除にならない
・香典の受け取りは非課税。但し香典返しの費用も控除にならない

余談ですが、近年では墓地のお墓ではなく、建物の屋内に故人を供養する納骨堂も広まっています。しかし納骨堂に関する税金の定義は曖昧なので、固定資産税の課税を巡り、運営する宗教団体と税務当局とが裁判で争うまでに発展しています。

2016年5月には、東京都港区のビル型納骨堂「赤坂浄苑」を巡る裁判で、東京地裁が固定資産税の課税は妥当だという判決が下りました。納骨堂に固定資産税が掛かることになれば、利用料金に反映される可能性が高いですし、東京の判例が全国的に広まる恐れもあり、注意が必要です。

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