親や夫が亡くなったら行う手続き
世帯主が死去したら、家族が行わねばならない手続きが沢山あります。

相続財産に含まれる物と対象外な物の一覧

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亡くなった人の財産や権利などを遺族が引き継ぐ事を相続と言い、一定額を超えると相続税の支払い義務が生じます(⇒相続税の対象となる資産と計算方法)。ただし相続に関する法律では、相続税の計算に含まれる財産の対象範囲が決まっています。以下では、相続財産になるもの、ならないものを一覧にしています。

相続税の対象(プラスの財産)
現金 預貯金 投資信託 土地 建物 自動車
貴金属 株式 国債 特許権 著作権 電話加入権
ゴルフ会員権 貸付金 賃借権 売掛金 保険契約  

相続財産の対象に含まれる物は、現金や預貯金の他にも、不動産や自動車といった名義が決まっているもの、株券や国債などの有価証券など色々とあります。基本的に、資産価値のある(お金に換えれる)物は、ほとんどが相続税の対象です。

意外なものとして「著作権」も相続財産になります。著作権を相続する場合、特別な手続きは必要ありません。そもそも、著作物は制作された時点で自動的に著作権が発生するため、登録自体が必須の制度ではないからです。ゆえに、著作権の相続は相続人同士が話し合って、誰が相続するのかを決めるだけでOKです。

ただし、後々のトラブルを避けるためにも、遺産分割協議書を作成して相続人を明確にしておく事が望ましいでしょう。なお、著作権の保護期間は著作物が創作された日から著作者の死後50年までとなっており、その後は権利が消滅します。

上記の一覧表には記載していませんが、厳密には家財道具なども相続財産です。しかし、基本的に家財道具の評価額は極めて低く、特に家電製品や長年使用していた家具などは、評価額はほぼゼロです。数百万円以上する北欧の有名ブランド物の家具ならともかく、イケヤやニトリの家具なら綺麗な状態でもゼロ円扱いです。よって家財道具のほとんどが、相続税の計算に影響を及ぼさないため、無視してもまず問題にはならないです。

相続税でマイナス評価のもの、計算に含まないものもある

注意すべき点として、相続財産はプラスの物だけでなく、マイナス評価の物も含まれる事が挙げられます。例えば、故人の借金(住宅ローンやクレジットカード残高など)、交通事故などによる損害賠償責任、あるいは連帯保証人の債務などで、遺族が遺産相続した場合はこれらの返済義務も引き継ぐ事になります。

相続税の対象(マイナスの財産)
住宅ローン 未納の税金
クレジットカード残高 未払いの医療費
カードローン等の借金 未払いの公共料金
損害賠償 その他、法的な債務類

こうしたマイナス財産を引き継ぎたくない場合は、相続放棄という方法があります。相続放棄とは、その名の通り故人の財産や権利などの相続を辞退する事です。

ただし、相続放棄をする場合は相続の全ての権利を辞退する事になるので、プラス財産だけ相続してマイナス財産は相続しない、といったやり方は出来ません。なお、プラスとマイナスの財産を差し引いて、プラスになった時のみ相続する限定承認という方法もあります。詳しくは借金を相続しない方法のページを参照下さい。

相続財産にならないもの一覧
墓地・墓石 仏壇・仏具 位牌 香典 葬儀費用
死亡退職金 生命保険の死亡保険金 未支給年金 健康保険の埋葬量 故人特有の権利

一方で、相続財産の対象外になる物は、主に個人特有の権利です。これは、運転免許証やパスポート、弁護士や税理士などの国家資格などが該当します。また、先祖代々のお墓や、仏壇・仏具など供養に関するものは、相続財産には含まれません。また、年金や生命保険といった受取人が決まっている物も、相続の対象外です。

相続財産に含まれる物、対象外な物まとめ
・相続財産に含まれる物は、現金や不動産や株式など多岐にわたる
・借金もマイナスの財産として相続の対象に含まれる
・お墓や仏壇など、葬式や供養に関する物は相続の対象外

このように、故人の所有していた物の多くは相続財産となります。相続税は計算違いや脱税が多いこともあり、税務署が特に目を光らせる(税務調査に入ることが多い)税金なので注意が必要です。そして相続は、遺族間でトラブルになりやすい事案なので、故人が亡くなる前に遺言書を作成してもらうなど、予め相続対策をしておく事が重要です。

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